信頼度
不信頼度
故障率
MTBF(平均故障間隔)
MTTR(平均修理時間)
修復率
保全度
アベイラビリティ(稼働率)
不稼働率
MTTF
FIT
MDT
この文書の作成にあたって早川じゅん様のご協力を頂きました。
単位時間内にシステムや機械が動いている確率のこと。とりあえず、問題文中に「0.9」とか「0.8」などのように0〜1までの間の数字があったら、それは間違いなく信頼度です。
例
次のシステムの信頼度はいくつですか?
0.9×0.9=0.81 答え0.81
また故障率(件/時間)から信頼度を求める計算もあります(故障の発生件数がポアソン分布に従う(故障の発生が偶発的の)場合)。故障率と信頼度の間には次のような関係があります。
R=e−λt
Rは信頼度、λは故障率、tは時間です。
このR=e−λtという式はどっから出てくるの?と疑問な場合は、信頼性計算のための数学のeとボアソン分布についてに分かりやすいかどうかわからない説明があります。
例
故障率が0.2件/年のシステムがあります。このシステムの2年間の信頼度を求めなさい。
R=e−λt=e−0.2×2=0.670
答え0.67
もう一つ故障率(単位なし)から信頼度を求める問題もあります(多分、故障の発生が指数分布じゃない場合)。故障率と信頼度の間には次のような関係があります。
信頼度=1−故障率
上の故障率との違いは「単位がない」ってことです。「件/時間」となっている場合は上のやり方で解き、それ以外の場合はこちらのやり方で解きます。
例
次のシステムの信頼度を求めなさい。
1−0.1=0.9 答え0.9
不信頼度 =1−信頼度
例
次のシステムの不信頼度はいくつですか?
0.9×0.9=0.81 1−0.81=0.19 答え0.19
不信頼度は、故障率bと同義です。故障率と言った場合、普通は故障率(単位は「件/時間」)の方を言っていて、故障率(単位なし)の方を不信頼度と呼んでいると解釈しました。
単位時間内でどの程度故障するかの確率を示したもの。
故障率a(件/時間)(本名を瞬間故障率というらしい)
故障率b(本名を累積故障確率というらしい、不信頼度と同義)
の2つが存在してややこしいが、故障率と言った場合普通前者をさす。前者しか覚えなくていいです。故障率bの方を知っているとややこしい・・・
例
あるシステムは40ヶ月で8回故障した。故障率はいくつですか?
故障率(件/時間)=8(件)/40(ヶ月)=0.2 答え0.2(件/月)
故障率aとMTBFの間には次の関係が存在する。
λは故障率です。
例
あるシステムのMTBFは40時間でした。故障率はいくつですか?
答え0.025(件/時間)
故障率bと信頼度の間には次の関係が存在する。
信頼度=1−故障率
つまり
不信頼度=故障率
である。でもこっちはあんまり出ないと思う。ので例はなし(ぉぃ
あるシステムや機械が故障するまでの時間の平均値。修理系(直しながら使うシステムや機械)に適用する。
MTBF(時間/件)
=総稼働時間/総故障件数
例
あるシステムの使用経過は以下のようになっている。MTBFはいくつか?
(100+120+140)÷3=120 答え120(時間/件)
例
あるシステムは40ヶ月で8回故障した。MTBFはいくつですか?
MTBF(時間/件)=40(ヶ月)/8(件)=5(ヶ月/件) 答え5(ヶ月/件)
MTBFと故障率の間には次の関係が存在する。
λは故障率です。
例
あるシステムの故障率は0.025(件/時間)でした。MTBFはいくつですか?
答え40(時間/件)
修理にかかった時間を平均したもの。修理系(直しながら使うシステムや機械)に適用する。
MTTR(時間/件)
=総修復時間/総故障件数
例
あるシステムの使用経過は以下のようになっている。MTTRはいくつか?
(3+2+4)÷3=3 答え3(時間/件)
例
表はある装置の故障件数と1件あたりの修復時間を示したものです。MTTRはいくつですか?
1件あたりの修復時間(時間) | 件数 |
---|---|
5 | 2 |
10 | 3 |
(5×2+10×3)÷(3+2)=8 答え8(時間/件)
MTTRと修復率の間には次の関係が存在する。
μは修復率です。
例
あるシステムの修復率は0.1(件/時間)でした。MTTRはいくつですか?
答え10(時間/件)
単位時間内に何件修復したかを示したもの
例
下のような結果になった装置Aの修復率はいくつですか?
回数 | 修復時間(時間) |
---|---|
1回目 | 2 |
2回目 | 3 |
3回目 | 4 |
修復率(件/時間)=3(件)÷(2+3+4)(時間)=0.33333(件/時間) 答え0.33(件/時間)小数第3位を四捨五入する場合
修復率とMTTRの間には次の関係が存在する。
μは修復率です。
例
MTTRが0.50(時間/件)の修復率はいくつですか?
答え2(件/時間)
単位時間内にすべての機械において何件修復したかを示すもの(う・・・わかりづらい)
保全度は「単位時間に修理が完了した機械の数/修理すべき機械の数」であるのに対し、修復率は「修理が完了した機械の数/修理に要した(要している)時間」です。
例
下のような結果になった装置Aの3時間後における保全度はいくつですか?
回数 | 修復時間(時間) |
---|---|
1回目 | 2 |
2回目 | 3 |
3回目 | 4 |
3時間たった時、1回目と2回目は修復しているが3回目は修復していないので
2(件)/3(件)=2/3 答え2/3
保全度と修復率の間には次のような関係が存在する。
M=1−e−μt
Mは保全度、μは修復率です。
例
修復率が0.1(件/時間)のシステムの修復着手後10時間後における保全度はいくつですか?
M=1−e−μt=1−e−0.1×10=1−e−1=1−0.37=0.63
答え0.63
システム、機械などが使える状態にある割合のこと。
アベイラビリティとMTBFとMTTRには次のような関係が存在する。
例
MTBFが9時間、MTTRが1時間の時のアベイラビリティはいくつですか?
答え0.9
アベイラビリティと不稼働率には次のような関係がある。
アベイラビリティ=1−不稼働率
システム、機械などが使えない状態にある割合のこと。
不稼働率とMTBFとMTTRには次のような関係が存在する。
例は面倒だから省略(ぉぃ
アベイラビリティと不稼働率には次のような関係がある。
不稼働率=1−アベイラビリティ
MTBFと違うのは、こちらは非修理系に使う指標だということです。電球なんかは修理出来ないので取り替えますが、これが非修理系のものです。
例
装置Aに使用している同一部品は、それぞれ使用後130、145、160、185時間で故障して取り替えました。MTTFはいくつでしょう?
(130+145+160+185)÷4=155 答え155(時間)
故障率の単位で1FITは、1時間あたり10-9件故障するということである。
例
MDT(時間/件)=システムが停止している時間/件数
MTTRは「故障の修理に要した時間/件数」ですが、MDTは予防保全などでシステムが停止している時間なので予防保全を行ってシステムが停止している場合の時間も含みます。
例
図からMDTを求めなさい。予防保全のうちb1はシステムを止めないでいられる作業で、b2はシステムを止めて行う保全である。
予防保全b1はシステムを止めないで出来るので、この時間はシステムが停止している時間には含めません。したがって、
MDT(時間/件)
=システムが停止している時間/件数
=(2.00+1.00+1.20)(時間)/3(件)
=1.4(時間/件)
答え1.4(時間/件)
ちなみに、MTTRは
MTTR(時間/件)
=(2.00+1.20)(件)/2(件)
=1.6(時間/件)
答え1.6(時間/件)