A-1 次の記述は、アンテナから放射される電磁界と偏波の関係について述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1) 直交する2本の線状アンテナに位相の異なる給電電流を加えたとき、放射される電波は、電界のベクトルが時間的及び空間的に□A方向を軸として回転する楕円偏波となる。
(2) 電波の□Bに向かって固定面内の電界ベクトルの回転方向を見たとき、回転方向が時計回りのとき□C偏波、反時計回りのとき□D偏波という。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 伝搬 | 進行方向と逆方向 | 右旋 | 左旋 |
2 | 伝搬 | 進行方向 | 右旋 | 左旋 |
3 | 磁界ベクトル | 進行方向と逆方向 | 右旋 | 左旋 |
4 | 磁界ベクトル | 進行方向 | 左旋 | 右旋 |
5 | 磁界ベクトル | 進行方向と逆方向 | 左旋 | 右旋 |
円偏波ってどっち回りだっけ?というのをあんまり意識して図を見ないので、ちょっとつらいかもしれないです。
まず勘で分かりそうなのは、□Cと□Dです。時計回りと言ったら普通右回り、反時計回りだったら普通左回りと考えます。したがって、□Cは右旋で□Dは左旋かなーと思います。
□A。電界ベクトルと磁界ベクトルは互いに直交(というんだろうか?)の関係にあります。電界が出来ると磁界が出来て、磁界が出来ると電界が出来てとそんな感じで電波は飛んでいきます。問題を読むと「電界ベクトルが時間的」と書いてあります。じゃあ「磁界ベクトルも時間的」と考えるのが普通です。ついでに普通に考えて、「磁界ベクトル方向が軸」と「伝搬方向が軸」では後者の方がしっくりきます。したがって□Aは伝搬です。
さて、□B。勘です。なんとなく進行方向に向かって回転方向を見るというのがしっくりきそうです。答えは「進行方向」です。
偏波に関しては平野拓一のホームページの電磁界理論の偏波を見るといいかなーと思います。
A-2 次の記述は、図(平面図)に示すように、2個の垂直半波長ダイポールアンテナを間隔l[m]で同一水平面上に平行に並べたときの水平面内の指向性を求める過程について述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、□内の同じ記号は同じ字句を示す。またアンテナ電流の角周波数をω[rad/s]、波長をλ[m]、l<<λとし、両アンテナの電流の振幅と位相は等しく、大地などの影響はないものとする。
(1) 両アンテナからの平均角度φ[rad]の方向で、平均距離d[m]の十分遠方の点Pらおける合成の電界強度Eは、両アンテナからの電界強度が等しいとして次式のように表される。ただし、係数Kは、アンテナ電流と距離の関数である。また、(ejβ+e-β)/2=cosβの関係がある。
E≒K[ej(ωt-2πd/λ)+ej(ωt-2π(d+lcosφ)/λ)]
=2Kcos(□A)ej(ωt-2π(d+lcosφ)/λ) [V/m] ・・・@
(2) 式@より、両アンテナの中心を含む水平面の指向性係数D(φ)は、次式で表される。
D(φ)=cos(□A) ・・・A
(3) 式Aから、l=λ/2とすれば、φが0及びπでD(φ)=□B、また、φがπ/2及び3π/2でD(θ)=□Cとなり、水平面では□Dの指向性となる。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | (πlsinφ)/λ | 0 | 1 | 単一指向性 |
2 | (πlcosφ)/λ | 1 | 1 | 全方向性 |
3 | (πlcosφ)/λ | 0 | 1 | 8字形 |
4 | (πlcosφ)/λ | 0 | 1 | 単一指向性 |
5 | (πlsinφ)/λ | 1 | 0 | 8字形 |
なんか難しい式が出てきますが、式に惑わされないようにしましょう。
まず□Dです。今回出てきているアンテナは半波長ダイポールアンテナが2つです。垂直半波長ダイポールアンテナの水平面の指向性は無指向性です。これを2つ組合わせたとき「単一指向性」になるとは考えられません。八木アンテナのように水平半波長ダイポールアンテナを2つ並べた時の水平面の指向性なら、指向はするどくなりますが。また、垂直半波長ダイポールアンテナ1本ですと無指向性、つまり全方向に電波が飛びますけど、2本組合わせて指向性が同じというのも考えずらいです。したがって□Dは8字形です。
次に□A。まじめに解いてもいいんですが、問題文中に「(ejβ+e-β)/2=cosβの関係がある」とあります。したがって「[ej(ωt-2πd/λ)+ej(ωt-2π(d+lcosφ)/λ)]」をなんかいじるとcosになるんだろうと考えられます。したがって□Aは(πlcosφ)/λを選びます。三角関数の合成かなんか使ってsinになるかもしれないと思う方もいるかもしれませんが、陸技の試験では合成関数を使う場合は必ずその公式が示されます。ついでに、陸技の試験ではsinとcosを選ぶならばcosの方が分がいいです。したがってよく分からなかったらcosを選んでください。
あとは、□Bと□Cは(πlcosφ)/λに値を代入するだけです。
答えは3です。
ちなみに□Dの指向性がどーしても選べなかった場合は、□Bと□Cを先に解きます。
まず□Aの解答が(πlcosφ)/λだったとしたらどうなるかと計算して見ると□Bが0、□Cは1となります。同じく、□Aの解答が(πlsinφ)/λだったとしたときは□Bは1、□Cは0となります。すると、選べる解答の選択肢は3、4、5のどれかになります。後は運ですね。んでも陸技を受けるんでしたら「垂直半波長ダイポールを並べて置いたときは、どー考えても水平面の指向性は単一にはならん」くらいはピンときて欲しいです。
A-3 周波数が100[MHz]、電界強度が2[mV/m]の電波を素子の太さが等しい2線式折り返し半波長ダイポールアンテナで受信したときのアンテナの誘起電圧(受信開放電圧)Vo[V]と受信機入力電圧Vr[V]の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、アンテナ回路と受信機の入力回路は整合しており、アンテナの最大感度の方向は到来電波の方向と一致しているものとする。
Vo | Vr | |
---|---|---|
1 | 3.8[mV] | 3.8[mV] |
2 | 3.8[mV] | 1.9[mV] |
3 | 1.9[mV] | 1.9[mV] |
4 | 1.9[mV] | 0.9[mV] |
5 | 0.9[mV] | 0.9[mV] |
半波長ダイポールアンテナの実効高(重要)とアンテナに誘起する電圧(重要)と折り返し半波長ダイポールアンテナの形が分かっていればなんとかなる問題でしょう。
半波長ダイポールアンテナの実効長
le[m](アンテナの実効長) λ[m](波長)
アンテナに誘起する電圧
V[V](電圧) E[V/m](電界) le[m](アンテナの実効長)
です。
折り返しダイポールアンテナ
まずアンテナに誘起する電圧を求めます。
とりあえず半波長ダイポールアンテナだったらどのくらいかなと計算してみます。
Vo=Ele=Eλ/π
波長λ[m]は周波数が100[MHz]なので、300/100=3[m]
したがって、Vo[mV]=2[mV/m]×3[m]÷π=1.91[mV]。折り返しダイポールアンテナを見るとアンテナの素子が2本ありますので「受信電圧は2倍になるんじゃないかなー」と思います。1.91[mV]を2倍して3.8[mV]です。
答えは1か2のどちらかです。あとは運です。運ですが、素朴に考えて「アンテナの電力がそのまま受信機に行くわけがない」と思うので、「何か理由があって半分になるんじゃないかなー」と思います。したがって答えは2です。下に半分になる適当な理由を。
受信機に誘起する電圧
V[V](電圧) E[V/m](電界) le[m](アンテナの実効長)
2で割る理由は参考書で「有効電力」あたりを調べると載ってるでしょう。適当に説明しますと、アンテナの誘起電圧をV[V]、アンテナのインピーダンスがR1、受信機のインピーダンスがR2とすると、アンテナと受信機は直列に繋がっているので、R1にV/2[V]の電圧がかかって、R2にV/2[V]の電圧がかかるからです。
ちなみに、これは回路が整合してる時です。
A-4 微小電気ダイポールアンテナの実効面積を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、微小電気ダイポールの長さをl[m]及び波長をλ[m]とすれば放射抵抗Rrは、次式で与えられる。
Rr=80π2l2/λ2[Ω]
1 λ2/π[m2]
2 λ2/2π[m2]
3 λ2/4π[m2]
4 3λ2/4π[m2]
5 3λ2/8π[m2]
この問題はよく出ます。だから覚えてください。計算するより覚えたほうが早いです。答えは5です。
微小ダイポールアンテナの実効面積
λ[m](波長)
A-5 次の記述は、アンテナの特性について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
1 開口面アンテナの絶対利得は、開口面積に比例する。
2 等方性アンテナの実効面積は、波長をλとすれば、λ2/4πである。
3 開口面アンテナの開口効率は、開口面積をS、実効面積をSeとすれば、Se/Sである。
4 線状アンテナの実効面積は、線の直径と全長との積である。
5 開口面アンテナの絶対利得をG及び実効面積をSe、等方性アンテナの実効面積をS0とすれば、G=Se/S0である。
何も知識がないと運まかせの問題です。が、よくよく考えると分かります。
A-4の問題で微小ダイポールアンテナの実効面積が分かっています。そしてこの問題の4番を読みます。微小ダイポールアンテナの実効面積は線の直径と全長との積になってません。したがって、答えは4です。ちなみに、実効面積関係の式はよく使いますので暗記しておきましょう。
アンテナの実効面積などなど(重要)
Ae[m2](アンテナの実効面積) A [m2](アンテナの面積) λ [m](波長) G [単位なし](利得) η[単位なし](開口効率)
A-6 同軸給電線の単位長さ当たりのインダクタンスがL[H/m]、抵抗がR[Ω/m]、静電容量C[F/m]及びコンダクタンスがG[S/m]のときの減衰定数α[Np/m]を表す近似式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、角周波数をω[rad/s]、特性インピーダンスをZ0[Ω]とし、かつ、R<<ωL及びG<<ωCとする。また、伝搬定数γは式@で表され、変数xと定数aの和の平方根は、1>>x/aのとき、式Aのように展開できる。
・・・@ ・・・A
1
2
3
4
5
減衰定数α・・・出ると思ってませんでした。私は試験時には暗記していたのですが、すっかり忘れていました。
あんまり出ないかもしれませんが、余裕があれば特性インピーダンス、伝搬定数γ、減衰定数α、位相定数βの式とその近似式を完全にではなくていいのでイメージとして覚えておくといいかもしれません。
この問題の指針としては、式Aの()の中の分母に2が入っているので解答にも2が入っていると考えるのがスジです。したがって、選択肢の3と4は却下です。答えは1か2か5です。あとは運ですね。
答えは1です。
A-7 次の記述は、導波管の伝送モードについて述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし□内の同じ記号は、同じ字句を示す。
(1) 方形導波管の基本モードは、□Aモードであり、一般にこのモードが用いられている。方形導波管の菅軸に直角な断面内側の長辺の長さをa[m]、短辺の長さをb[m]とすれば、a=□Bに選び、a<λ<2aの波長で用いれば、□Aモードのみを伝送することができる。ただし、λ[m]を波長とする。
(2) 円形導波管のTE01モードは、周波数が□Cなるほど減衰定数が小さくなる性質がある。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | TE10 | 3b/2 | 低く |
2 | TM10 | 3b/2 | 低く |
3 | TM10 | 3b/2 | 高く |
4 | TM10 | 2b | 高く |
5 | TE10 | 2b | 高く |
導波管の基本を知っていれば2択の問題です。
導波管の基本モードと言ったら、TE10です。
これで1か5の二択です。あとは運です。
が、円形導波管のTE01モードは周波数が高くなると減衰定数が小さくなるという性質があるのは覚えておいていいかもしれないです。どっかで一回出た記憶があります。
答えは5です。
導波管の遮断波長
遮断波長= 2a[m]
位相速度と群速度では群速度の方が遅い
A-8 図に示すように、特性インピーダンスZ0が50[Ω]の無損失給電線と入力抵抗Rが100[Ω]のアンテナを対称形集中定数回路を用いて接続したとき、この回路が整合するための回路定数Xとして、最も近いものを下の番号から選べ。
1 56[Ω]
2 63[Ω]
3 71[Ω]
4 75[Ω]
5 112[Ω]
ボーナス問題です。インピーダンスが2つ与えられて整合の問題でしたら、とりあえず掛け算してルートです。
この問題は(50×100)1/2で71[Ω]。答えは3です。
1/4波長整合回路
のとき、
Z0[Ω](特性インピーダンス) Zq[Ω](1/4波長整合回路の特性インピーダンス) R[Ω](負荷抵抗)
今回は1/4波長整合回路じゃなくて、対称形集中定数整合回路ですが、同じような感じです。とりあえず、掛け算してルートです。ときどきZ0を求めろという問題がありますので気をつけましょう。その場合は、Zqを2乗して割り算です。
A-9 次の記述は、給電回路の用いられる同軸線路について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
1 主に伝搬方向に電磁界成分のないTEMモードが用いられる。
2 通常、高次モードが発生する高い周波数では用いられます。
3 比誘電率εsの誘電体が充てんされている場合の特性インピーダンスは、比誘電率が1の場合の1/εsとなる。
4 内部導体、外部導体ともに直径の太い銅管を用いた銅管同軸線路は、大電力の伝送に用いられる。
5 アルミシース同軸ケーブルは、半可とう性であり、内部導体と外部導体の間に挿入される絶縁物が銅管同軸線路に比べて多いため、減衰定数が少し大きい。
ボーナス問題です。
同軸線路の特性インピーダンス
Z0[Ω](特性インピーダンス) D[m](外部導体の内径) d[m](内部導体の外径) εr(比誘電率)
上の事実は知っているべきものなので、暗記してください。この式より特性インピーダンスは1/(εs)1/2になりますので、3は間違ってます。
さて、こういう「誤ったものを探す問題」の場合は「正しい選択肢の文章をなるべく暗記する」ようにしてください。何が誤っているかよりも、正しい選択肢を覚える方が有益です。
ちなみに重要なのは選択肢1の「同軸線路はTEM」、2の「同軸線路は高い周波数は駄目」の2つです。4と5はあんまり覚えなくていい気がします。
A-10 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナ(スリットアレーアンテナ)について述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1) 方形導波管の側面に一定の傾斜角で傾斜方向が逆向きになるようにして、スロット中心間の間隔が管内波長の□A程度でスロットを切ったものである。
(2) 導波管内を電磁波が基本モードで伝搬しているとき、放射される電波の偏波は、スロットの傾斜方向が交互に逆向きになっているため、管内の電界方向と□Bな方向となる。
(3) スロットの数を多くすると、指向性は、導波管の軸に直角な面内のビーム幅が□ファンビームとなる。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 1/2波長 | 直角 | 広い |
2 | 1/2波長 | 平行 | 狭い |
3 | 1波長 | 直角 | 狭い |
4 | 1波長 | 平行 | 広い |
5 | 1波長 | 直角 | 広い |
スロットアレーアンテナの問題はよく出てくるのですが、ちょっと毛色の違う問題です。図を書くのが面倒なんで書きません。
まず□A。スロットアレーアンテナが出てくる場合には必ず出題されるので覚えてください。「管内波長の1/2」です。これは知っておかないと駄目です。すると選択肢は1か2になります。後は運です。
答えは1だそうです。
スロットアレーアンテナは船舶で使われるそうです。その理由を以下に示します。
まずファンビームについて・・・知りたかったんですけど、ファンビームレーダーしかお手軽に見つからなかったんで、ファンビームレーダーについて。ファンビームレーダとは,送信する電波の断面がペンシルビームレーダのように円形でなく,電波が扇のように一方向に広がっているものをいう。船舶用のファンビームレーダは,一般的に垂直方向に電波が広がっている
そうです。
実際のアンテナのスペックを見てみると、水平ビーム幅1.2度、垂直ビーム幅25度、になっています。これを元にどんな風に電波が飛ぶのかなーと考えると多分以下のようになるかと。
赤い感じで電波が飛んでいっているかと・・・
船舶では船が波によって縦にゆれるので、こういう指向性を持っていると波のゆれをアンテナの方で吸収できるので船でよく利用されるとのことです。
A-11 次の記述は、中波放送用の垂直接地アンテナ及び短波放送用のビームアンテナ(カーテンアンテナ)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
1 フェージング防止アンテナは、サービスエリアが100キロメートル以上の大電力放送に用いたとき有効である。
2 垂直接地アンテナは、指向性を持たせるために無給電素子を主アンテナに併設することがある。
3 垂直接地アンテナは、頂冠を設けるとアンテナの高さを低くすることが出来る。
4 ビームアンテナは、電離層の変化によって生ずる吸収性フェージングを小さくすることができる。
5 ビームアンテナは、指向性合成により鋭い指向性を得るアレーアンテナです。
用語をよく知らなくても「なんとなくこうかな」と考えると当たるでしょう。私は当たりました。
まず1。んー、そういうもんなのかなあと思って保留。
2番。八木アンテナというのは水平アンテナですが、こいつは指向性を持たせるため無給電素子を併設しています。垂直アンテナでも同じことが出来るだろうなーと思うので多分正しいと思いますが、やっぱり保留。
3番。よくわかんないです。けど、頂冠をつけるとアンテナの高さが低くなるというのは、なんかもっともらしいです。保留。
4番。吸収性フェージングってなんだっけ?と考えます。で、電離層が電波を吸収する割合が変化して電波が強くなったり弱くなったりするんかなあと考えます。そんな電波に、指向性がするどいだけのビームアンテナがフェージングを調節できるとは思えません。間違ってるのは、これっぽいと思います。
5番。これは無線屋さんの常識として知っておいてください。ビームアンテナはビームみたいに電波が飛ぶのでビームアンテナです(と私は思ってます。ホントかどうか知りません)。
ここで、1〜4を検討してやっぱり4番が一番怪しいので4番としました。答えは4番です。
「垂直接地アンテナは、指向性を持たせるために無給電素子を主アンテナに併設することがある」例を。これ、垂直接地アンテナじゃないけど、まあ、おんなじようなもんでしょう。
ちなみに、これはポケベルのアンテナです。
A-12 次の記述は、開口面アンテナのサイドローブについて述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組み合わせを下の番号から選べ。
(1) 反射鏡アンテナは、反射鏡面への電波の照射分布を変えて開口□Aへの照射レベルを小さくしたり、主反射鏡の回りに□Bを用いた遮蔽版を取り付けて、スピルオーバーによるサイドローブを軽減できる。
(2) オフセットパラボラアンテナ及び□Cアンテナは一次放射器及びこれらの支持柱などが電波通路上に無いので、これらによるブロッキングや散乱が無く、サイドローブ特性が良い。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 中心部 | 吸収材 | ホーンレフレクタ |
2 | 中心部 | 反射材 | グレゴリアン |
3 | 中心部 | 吸収材 | グレゴリアン |
4 | 周辺部 | 反射材 | グレゴリアン |
5 | 周辺部 | 吸収材 | ホーンレフレクタ |
新問のような気がしますが、そこは勘と感覚でカバーです。
まず□A。今回はサイドローブを少なくするという問題です。反射鏡アンテナに電波を照射するとき、中心にあてればいい方向に反射していきそうですが、周辺に電波を照射すると、なんかどっかいらないところに飛んでいっちゃいそうです。したがって□Aは「周辺部」かなーと思います。
□B。吸収材をつければサイドローブを吸収してくれそうですが、主反射鏡の周りに反射材をつけたら、いらない方向に電波が飛んでサイドローブを作ってしまいそうです。したがって、□Bは「吸収材」だろうと思います。
□C。アンテナの形を知らないと駄目です。グレゴリアンはいいとして、ホーンレフレクタアンテナの形は知っておくべきでしょう。
サイドローブが小さい。開口効率が大きい。直線偏波、円偏波に使用できる。
見るからに、「一次放射器及びこれらの支持柱などが電波通路上に無い」です。したがって□Cはホーンレフレクタアンテナです。答えは、5です。
メインローブとサイドローブとバックローブ
目的の方向への放射ビームで最大のものをメインローブ、それとは反対の方向に生じる不要な放射をサイドローブ、サイドローブの中で最大のものをバックローブと呼ぶ。
メインローブとバックローブとの比をとったものをFB(Front/Back)比と言い、デシベル(dB)で表示する。
FB=20log(メインローブ最大値/バックローブ最大値)
A-13 次の記述は、図に示すヘリカルアンテナの放射モードについて述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組み合わせを下の番号から選べ。
(1) へリックスのピッチ角が10〜15度で、その周が約□Aの時、電波をへリックスの軸方向へ放射するので、軸モード放射という。
(2) へリックスの全長が1波長程度以下で、その周が1波長に比べて□Bとき、電波をへリックス軸に直角な面内へ放射するので、垂直モード(ダイポールモード)放射という。
(3) へリックスの周が1.5波長程度の時、又はへリックスのピッチが1波長を越えるときなどは、電波をへリックス軸方向及び側方向ヘ放射するので□Cモード放射という。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 半波長 | 大きい | 多ローブ |
2 | 1波長 | 小さい | 多ローブ |
3 | 半波長 | 小さい | 多ローブ |
4 | 1波長 | 小さい | 水平 |
5 | 半波長 | 大きい | 水平 |
ヘリックスアンテナの問題は昔はよく出てたのですが、最近でてなかったと思います。ひさしぶりに見ました。
何も知らなくても分かりそうなのは□Cです。「ヘリックス軸方向及び側方向へ放射」するので、多ローブかなーと思います。どう考えても「水平」方向だけに電波を飛ばしていないです。これで1〜3に絞れます。
次に□Bです。(3)において「ヘリックスの周が1.5波長程度の時」の話をしています。で、(2)では、ヘリックスの周が1波長より大きいか小さいかを問題にしています。1波長より大きいと1.5波長になることもあるので、「大きい」という答えは考えにくいです。したがって、□Bは小さいです。
最後に□Aですが、過去問にはよく出てました。約1波長です。ヘリックスと言ったら1波長と覚えておいて損はないと思います。
答えは2です。
A-14 電離層の最大電子密度が3.6×1011[個/m3]のときの臨界周波数の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、電離層の電子密度をN[個/m3]、プラズマの周波数をf[Hz]及び電波の屈折率をnとすれば、次式の関係がある。
1 5.4[MHz]
2 8.6[MHz]
3 10.8[MHz]
4 12.2[MHz]
5 16.2[MHz]
この問題はよく出ます。が、値も式も与えられることが多いので、その場で考えればいいと思います。
分かっているのはNですので、これはまず式に代入します。分からない値はfとnです。今回の問題は周波数を知りたいので最終的に求めるのはfになります。とすると、後はnが分かればOKです。臨界周波数というのは電離層を突き抜けていっちゃう周波数のことです。したがって臨界周波数というのは電離層で屈折しない周波数ということです。まったく屈折しない時の屈折率は0です。したがって、0=80.6N/f2となようなfを求めればOKです。答えは、1です。
「まったく屈折しない時の屈折率は0」というのを知らなくても経験があればいけます。「なんとか率」と言った場合、その値は「0〜1」、「1〜無限大」の値をとります。これはお約束です。で、今回、nを1とか無限大にするようなfを決めることは無理です。したがって、「あー、nは多分0だろうなー」と思います。
A-15 距離25[km]のマイクロ波固定通信回路において、周波数が12[GHz]で送信機出力が36[dBm]のときの受信機入力の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、送信及び受信アンテナの利得をそれぞれ50[dB]及び51[dB]、送信側及び受信側の給電回路の損失をそれぞれ5[dB]及び6[dB]とし、大地及び伝搬路周辺の反射物体からの影響はないものとする。またlog10π≒0.5とする。
1 -16[dBm]
2 -10[dBm]
3 3[dBm]
4 20[dBm]
5 44[dBm]
ちょっと無線の現場を知っている人間ですと、まず4と5はあり得ない、3も怪しい。1か2が妥当だろうなと思います。
一般の方でも送信機出力が36[dBm]なのに、受信で44[dBm]も取り出せるわけがなかろうと素朴思うでしょう。
それはそれとして、この問題は陸技の問題ではなく一陸特クラスのとっても簡単な問題です。ボーナス問題です。この程度の問題はさらっと解けるようになってください。
自由空間伝搬損失Γ
Γ[単位なし](自由空間伝搬損失) d[m](距離) λ[m](波長)
ΓはdBになおして使用することが多いです。その時は、10log10Γです。
この式を見て分かることは、伝搬損失は距離の2乗に比例して増えて(要するに距離が増えると損失は増える、当たり前だけど)、波長の2乗に反比例して損失は増える(要するに波長が長ければ長いほど損失が小さい)。
ところで、10logΓ=10log(4πd/λ) 2を計算するのは周波数から波長を求めたりπがあるので、3.14をかけ算したりと大変です。以下に示す近似式を使うと計算が楽かもしれません。お好みでお使い下さい。
Γ[dB]=32.4+20logf+20logd
f[MHz](周波数) d[km](距離)
この式は津本@愛知県さんに教えていただきました。
デシベル計算の場合
Ps[dB]=Pt[dB]+Gs[dB]+Gt[dB]-Γ[dB]
受信電力=送信電力+送信アンテナの利得+受信アンテナの利得-自由空間伝搬損失
真数計算の場合
Ps=Pt×Gs×Gt÷Γ
受信電力=送信電力×送信アンテナの利得×受信アンテナの利得÷自由空間伝搬損失
まず今回はdBで計算しているので、自由空間伝搬損失をdBで求めます。
あとは足し算と引き算です。
受信機入力=送信機出力+アンテナの利得−給電線の損失−自由空間伝搬損失
受信機入力=36+50+51−5−6−142=-16[dBm]
A-16 次の記述は、降雨及び大気中に浮遊する水滴や氷雪によるSHF帯及びEHF帯の電波の減衰について述べたものである。□内に入れるべ字句の正しい組み合わせを下の番号から選べ。
(1) 霧や細かい雨などのように、波長に比べて十分小さい直径に水滴による減衰は、主に吸収によるものであり、その大きさは□Aの2乗及び単位面積の空気中に含まれる水分の量に比例する。
(2) 水滴の直径が霧や細かい雨などより大きくなると、吸収の他に□Bによる減衰が生ずる。
(3) 氷でできた雲や乾燥した雪の□C損は、水に比べてかなり小さいので粒子が十分小さければ、その減衰は一般に無視できる。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 波長 | 共鳴 | 導体 |
2 | 周波数 | 散乱 | 導体 |
3 | 周波数 | 散乱 | 誘電体 |
4 | 波長 | 散乱 | 誘電体 |
5 | 波長 | 共鳴 | 誘電体 |
この雨、雪の減衰に関する問題は一陸特にはよく出ていたような気もします。
あんまり何も知らなくても出来そうなのは□C。雪は導体じゃないので、誘電体損かなあと思います。
次に□B。無線の世界に「共鳴」という言葉は出てきません。また共鳴して減衰が起こるってのは、なんとなく考えられません。共鳴したら、なんか電波がパワーアップしそうです。したがって□Bは散乱です。
□Aは周波数です。基本的に周波数が高いほど、あらゆるものに関して減衰が大きいと考えて間違いないです。導体損も自由空間伝搬損失も周波数が高い方が減衰が激しいです。
答えは3です。
A-17 次の記述はフレネルゾーンについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。ただし、送信点をT、受信点をRとし、直線TRに直角な障壁平面を考え、この面と直線TRとが交わる点Oを中心にした円形の窓wp開け、その円周上の任意の一点を通る電波通路をTARとする。
1 TARとTRとの通路差が半波長以下となる空間を、第一フレネルゾーンと言う。
2 T及びRは、第一フレネルゾーンの内側にある。
3 TARとTRとの通路差が半波長の奇数倍のとき、Rにおける電界強度は、障壁がないときの電界強度の2倍である。
4 TARとTRの通路差が半波長の偶数倍のとき、Rにおける電界強度は、障壁がないときの電界強度に等しい。
5 フレネルゾーンの境界面は、T及びRを二つの焦点とする回転楕円体面である。
フレネルゾーンといえば覚えておくことは少なくて、「第一フレネルゾーンに障害物があっちゃ駄目」「第一フレネルゾーンは通路差がλ/2になる内側の領域」「第一フレネルゾーンは楕円形」くらいです。
さて、誤りはどれかという問題の場合、同じような文章で値とか言葉が違うことがある場合は、そのどちらかが誤りである可能性が高いです。この問題の場合、3と4になります。後は運です。
答えは4です。私は間違えました。っていうかフレネルゾーンの意味を知りませんでした。
ここからは嘘が書いてあります。信じないで下さい。
手持ちに電波伝搬に関する本がないのでなんとも言えないのですが私なりの解釈を(要するにいい加減ってことです。)。
私は最初「伝搬路の差がλ/2だったらその電波同士は位相が逆になるので0になる」んじゃないかと思いました。でも、それは「直接波と反射波」の時に問題になるんであって、今回のフレネルゾーンはまったく違うみたいです。
電波はある程度のひろがりを持って空間を伝わるようです。電波を出したとき、送信点と受信点の間に障壁があってそれに直径1mmの穴があいてるよう状態だと、その1mmの穴分しか電波が伝わらないようです。じゃあ、この直接波を全部伝えるにはどの程度の大きさの穴があいていればいいんだろうかと計算して出したのが第一フレネルゾーンみたいです。
次に第二フレネルゾーン。これは電波を弱めます。なんで弱めるのかはわからないです。第三フレネルソーンを通ってきた電波は電波を強めます(なんでかは分からないです)。同じように、第四フレネルゾーンは・・・。第二フレネルゾーン以降を通ってくる電波は回折波なので、直接波より弱いです。そして、それは第○フレネルゾーンの○の数字が大きくなればなるほど、たくさん回折しないと受信点にたどり着けないので電波は弱くなっていきます。で、結局第一フレネルゾーンを伝わってきた電波から第無限大ゾーンまで伝わってきた電波を足すと、僕らがいつも使っている「受信電界強度」になるみたいです。難しいですね、電波は。誰か本当のところを教えてください。
A-18 微小ダイポールアンテナのように波長に比べて十分小さなアンテナの測定をするとき、放射電界に対する誘導電界の影響による誤差を8%以下とするために必要な送信アンテナと受信アンテナ間の最小測定距離の値として最も近いものを下の番号から選べ。ただし、波長をλ[m]とする。
1 λ/2[m]
2 λ[m]
3 2λ[m]
4 5λ[m]
5 10λ[m]
確か過去問にありました。覚えていなきゃできません。答えは2λです。
これだと味気ないとか納得の行かない方のために導出を示します。
まず、微小ダイポールアンテナの距離rにおける電界の式を知らないと駄目です。ちなみにこの式を覚えている必要はまったくありません。
微小ダイポールアンテナの距離rにおける電界(覚えているとうれしい)
E [V/m](電界) r [m](距離)
この式自体は覚えないで、放射電磁界は距離rに反比例して誘導電磁界ってのは距離rの2乗に反比例するんだなってことと、距離rが大きいと誘導電磁界と静電界は距離の2乗とか3乗に比例するので無視していいことを覚えておけばおっけーです。
放射電界に対する誘導電界の影響による誤差を8%にしたいのですから、放射電界×0.08=誘導電界になればOKです。したがって
で答えは2λです。過去にこの問題が出た時は、ちゃんと微小ダイポールアンテナの電界強度の式が与えられてました。
A-19 次の記述は、アンテナ系の雑音温度を測定する方法について述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組み合わせを下の番号から選べ。
(1) 図に示す構成において、導波管スイッチを標準雑音源側にする。標準雑音源を動作させないとき、室温の雑音温度T0[K]に比例した熱雑音が受信機に入り、また、動作させたとき、標準雑音源の雑音温度TN[K]に比例した雑音が受信機に入る。
それぞれの雑音温度に対応する受信機の出力N0[W]とNN[W]の比、Y1は、次式で表される。ただし、TR[K]は、低雑音増幅器の等価入力雑音である。
Y1=N0/NN=□A ・・・@
(2) 導波管スイッチをアンテナ側にしたときの受信機出力と標準雑音源側にして標準雑音源を動作させたときの受信機出力との比Y2は、アンテナ系の雑音温度をTA[K]とすれば(1)と同様にして次式で表される。
Y2=□B ・・・A
(3) 式Aから、TAは、次式となる。
TA=(TN+TR)/Y2−□C ・・・B
したがって、式Bに式@から求めたTRを代入すればTAを求めることが出来る。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | (TN+TR)/(T0+TR) | (TN+TR)/(TA+TR) | T0 |
2 | (T0+TR)/(TN+TR) | (TN+TR)/(TA+TR) | TR |
3 | (T0+TR)/(TN+TR) | (TN+TR)/(TA+TR) | T0 |
4 | (T0+TR)/(TN+TR) | TN/(TA+TR) | TR |
5 | (TN+TR)/(T0+TR) | TN/(TA+TR) | T0 |
知識がなくても分かってしまうお手軽問題です。
まず、□Cと□Bの答えに注目します。式Aを変形すると式Bになると問題に書いてあります。□Cに入る選択肢はT0とTRです。式Aの中にT0は含まれません。したがって□CはTRになります。次に□B。分母にTRがあるかないかの違いです。ところでTRってのは何かというと、低雑音増幅器の雑音です。□Aの選択肢を見ると、分子にも分母にもTRが入っています。そして、回路図を見ると導波管スイッチを切り替えても、低雑音増幅器を通ります。したがってTRがある方が妥当かと思われます。したがって答えは2です。
A-20 次の記述は、利得の基準として用いられるマイクロ波標準アンテナの利得の較正法について述べたものである。□内に入れるべき字句の正しい組み合わせを下の番号から選べ。ただし、□内の同じ記号は、同じ字句を示す。また、送信電力をPt[W]、波長をλ[m]とし、給電回路等の損失は無視するものとする。
(1) 標準アンテナが一個のみの時は、図に示すように、アンテナからの距離をd[m]離して正対させた反射板を用いて測定することができる。利得G0は、反射板の反対側の□Aアンテナを考えれば、次式により求められる。
(2) 同じ標準アンテナが二個あるときは、一方を送信アンテナ、他方を受信アンテナとし、それぞれの□Bを合わせ、最大指向方向を互いに対向させて測定する。利得G1は、測定距離をd[m]とすれば、次式により求められる。
(3) アンテナが三個あるときは、アンテナ二個ずつ三通りの組合せで、(2)と同様に測定する。測定距離をd[m]一定とし、アンテナA、B及びCの利得をそれぞれGA、GB及びGCとすれば連立方程式が得られる。各式の右辺の変数は測定可能であり、この連立方程式を解くことにより各アンテナの利得が求められ、利得の較正ができる。ただし、アンテナA、B及びCの送信電力をPtA[W]、PtB[W]及びPtC[W]、受信電力をPrA[W]、PrB[W]及びPrC[W]とする。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 鏡像 | 偏波面 | 4πd/λ |
2 | 鏡像 | 半値幅 | 8πd/λ |
3 | 等方性 | 半値幅 | 2πd/λ |
4 | 等方性 | 半値幅 | 8πd/λ |
5 | 等方性 | 偏波面 | 4πd/λ |
問題文は長いのですが、解答は10秒で出ます・・・
まず□A。反射板の反対側に何があるかということですが、反射板は鏡の電波バージョンと考えてOKです。電波を反射板に発射するとそっくりそのまま帰ってきます。したがって、反射板のこっち側にアンテナがあると反射板は鏡なんですから、反射板の向こう側にも同じアンテナがあることになります。したがって、□Aは鏡像です。
次に□B。偏波と半値幅ですが、合わせられるのは偏波です。半値幅はアンテナに固有のものなので合わせられません。半値幅というのはメインローブの幅のことを言います。半値幅はアンテナによって違います。これをどうやって合わせるんでしょうか・・・。でも、問題を読むと、どっちも標準アンテナを使っているみたいなので、半値幅は同じなのかもしれません。じゃあ、もともと半値幅は合っているわけで、今更何を合わせるのかわかりません。
答えは1です。
B-1 次の記述は、指向性の等しいn個のアンテナを一直線上に等間隔で配列した均一分布リニアアレーについて述べたものである。□内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、波長をλ[m]とする。
(1) 図に示すように、n個の点放射源を一直線上に間隔d[m]で配列し、各点放射源の放射強度が等しく、かつ同相であるときくの配列係数D(θ)は、次式で表される。
この場合、θが□ア[rad]方向で各点放射源から放射の位相が一致して最大値が1となる。このように、配列と□イな方向に最大放射があるアンテナ系を一般に□ウアレーという。
(2) 各点放射源の放射強度が等しく、位相が2πd/λ[rad]ずつ順次遅れているときの配列係数D(θ)は、次式で表される。
この場合、最大値が1となる最大放射方向は(1)の方向と直角になる。このようなアンテナ系を一般に□エファイヤアレーという。
(3) 点放射源の代わりにダイポールアンテナなどの指向性の等しい単位素子を用いたアレーアンテナの指向性は、単位素子の□オとD(θ)との積で表され、各単位素子に加える励振電流の位相δ[rad]を適当に調整することにより主ローブの方向を変化させることができる。ただし、|δ|<2πd/λとする。
1 エンド
2 ブロードサイド
3 π/2
4 平行
5 放射電力
6 サイド
7 バックファイヤ
8 直角
9 指向性係数
10 0
B問題は、まずグループ分けです。1と6、2と7、3と10、4と8、5と9です。
まず□ア。θを0にするかπ/2にするかです。問題を読むと「最大値が1となる」と書いてあるので、なんとなくD(θ)が大きければいいんだなと思います。を見ると、θにπ/2を入れると、分子の括弧の中は1になりますが、θに0を入れると、括弧の中にnπd/λが残ります。陸技の問題では、括弧の中が0とか1になるのが大抵正解です。したがって答えはπ/2です。
これで0を選ぶと、分子はdとλに依存することになります。そうすると、「いつでも最大値が1」にはならない気がします。なので、π/2を選ぶのが妥当です。
次に□イ。□アでπ/2を選びました。π/2は90度です。したがって、□イは直角になります。
□ウと□エ。知らないと出来ません。□ウはブロードサイド、□エはエンドだそうです。これ、ときどき出るのですが、今まではヘリカルアンテナの時くらいしか出なかった気がします。
□オ。指向性を決めるのですから、指向性係数に決まってます。
ア:3 イ:8 ウ:2 エ:1 オ:9
B-2 次の記述は、図に示すテレビジョン放送の給電回路に用いられるハイブリッドリングを用いた定インピーダンスノッチダイプレクサについて述べたものである。このうち正しいものを1、誤っているものを2として解答せよ。
ア ハイブリッドリングのC1から入力された映像信号は○3及び○4に振幅が等しく位相差が90度の信号として現れる。
イ Dは、回路の不整合部分で生ずる映像信号及び音声信号の反射波及び透過波を吸収するための吸収抵抗である。
ウ 2個のRは、映像信号の約半分をC1側へ戻すための反射素子である。
エ 音声信号は、ハイブリッドリングC2で映像信号と合成されてアンテナへ送られるので、伝送路L1及びL2は通過しない。
オ ○6に現れる映像信号と音声信号の位相が一致しているので、一つのアンテナから送信される両信号波の指向性は同じになる。
C1、C2 : ハイブッドリング
L1、L2 : 伝送路
過去問に良く出ている問題なので、パーフェクトに行きたい所です。
ア。ハイブリッドリングの一辺は確かλ/2です。そのため、○3と○4にの電波は位相が90度ずれています。したがって正解は○です。
イ。これはその通りです。○。ここで吸収してあげないと、他で吸収してくれる抵抗がいません。
ウ。Rと言えば抵抗です。抵抗が反射素子のわけないので×です。ついでに、映像信号はアンテナに向かって欲しいのに、ここで映像信号を半分戻す意味はないので、やっぱり×です。
エ。映像送信機から出た電波が伝送路を通るのに、音声送信機から出た電波が伝送路を通らないわけないので、×です。
オ。音声と映像は指向性が同じでないとまずい(まずいですよね・・・音声の電波が届いてるのに、映像の電波が届かないってのは)ので、○です。
ア:1 イ:1 ウ:2 エ:2 オ:1
音声信号はどうやってアンテナに行くのか忘れました・・・Rのとこで反射するんだったかな・・・
B-3 次の記述は、電波雑音について述べたものである。□内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
(1) 空電雑音は、□アによって発生する衝撃性雑音であり、主に赤道地帯で発生した個々の衝撃性雑音が電離層伝搬によって中緯度地域で到来し、重なり合って連続性雑音として受信される。日本におけるHF帯の空電雑音の強度は、□イによる減衰のない夜間のほうが日中より強くなる。
(2) 宇宙雑音は、太陽以外の恒星が発する雑音であり、□ウヘルツから1ギガヘルツの範囲の通信に影響を与える。発生源は、個々の電波星と呼ばれる恒星の他に□エにあり、特にその中心方向が強い。
(3) 太陽雑音は、宇宙雑音に比べて大きいので、宇宙通信等では□オアンテナが太陽に向いたときに大きな妨害を受ける。
1 D層
2 受信
3 2メガ
4 送信
5 熱帯性低気圧
6 F層
7 天体
8 銀河
9 20メガ
10 雷放電
よく出てきそうな問題ですが、微妙に違いますね・・・
まずは、グループ分けです。1と6、2と4、3と9、5と10です。
まずア。衝撃性なので「雷放電」かなあと思います。
イ。HF帯の電波が「減衰」するのはD層です。F層はHF帯を反射します(その過程で減衰しますが)。
ウ。確か高い周波数だったよなーと思ったので、20メガを選びました。答えは20メガでOKです。
エ。問題で「宇宙雑音は、太陽以外の恒星ず発する雑音」と書いてあるので、天体なわけがないです。したがって、答えは銀河です。
オ。雑音を受けるのは受信アンテナの方です。送信アンテナで雑音ってのはよくわかりません。
ア:10 イ:1 ウ:9 エ:8 オ:2
B-4 次の記述は、航空機の計器着陸装置(ILS)に用いられるローカライザのアンテナの放射パターンの生成原理について述べたものである。□内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、波長をλ[m]とする。
(1) 図1に示すように、3個の反射板付水平半波長ダイポールアンテナをλ/2間隔で配置し、これを航空機の進入コースの延長線上に素子の長さ方向が延長線と直角になるように置く。アンテナ個々の放射特性はすべて同じであり、□アである。
(2) 150ヘルツと90ヘルツで振幅変調(AM)した□イ位相の電流をアンテナ個々に給電すると、合成の放射パターンは、図2に示すように、素子の長さ方向に直角な方向で最大になる。なお、電界の位相が基準に対してプラス(+)90度になるように、給電電流の位相が決められている。ただし、電波の伝搬時間による位相の遅れを無視するものとする。
(3) 搬送波が抑圧された150ヘルツと90ヘルツの側帯波電流を□ウのアンテナに180度の位相差で給電すると、合成の放射パターンは、図3に示すように、中心線方向が零(ヌル)の二つのローブを生ずる。このローブの電界の位相は150ヘルツ側帯波では右側のローブが+90度、左側がマイナス(−)90度となるように給電電流の位相が決められている。90ヘルツ側帯波では、ローブの電界の位相が150ヘルツ側帯波と逆になっている。
(4) 3個のアンテナの合成の放射パターンは、(2)による+90度の位相を持つ電界と(3)による電界の合成であるので、150ヘルツ側帯波は、中心線の□エで同相で加わり合い、□オでは逆相で相殺される。また、90ヘルツ側帯波は、150ヘルツ側帯波と逆になる。搬送波は変わらないので、図4に示すような3種類の放射パターンが得られる。
1 異なる
2 単一指向性
3 上側
4 同じ
5 下側
6 左右
7 双方向性
8 左側
9 右側
10 中央
最近航空機の問題多いですね・・・
まず、グループわけ。1と4、2と7、3と5と8と9、6と10です。
□ア。単一か双方向ですが、問題の図を見るとどう見ても単一方向です。答えは2です。
□イ。同じか異なるかです。異なる位相とすると「じゃあ、どんな位相でもいいんかい?」と疑問が生じます。したがって、答えは同相です。
□ウ。問題の先の方を読むと、右側のローブが+90度、左側のローブが−90度とばっちり書いてあります。答えは左右です。
□エと□オ。とても悩めるところです。右側か左側が入るのはすぐに分かると思いますが、どっちが右でどっちが左か、は知らないと分かりません。位相のイメージが沸けばいいのですが、私にはそれは出来ませんでした。位相が進んでいる方にローブが出るみたいですね。答えは□エが右側、□オが左側だそうです。
ア:2 イ:4 ウ:6 エ:9 オ:8
B-5 次の記述は、アンテナ間の背面結合度の測定について述べたものである。□内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
(1) 独立した二つ以上の無線回線が同一の□アを共用し、アンテナが鉄塔上に接近して背中合わせに設置されている場合などのアンテナ相互間の結合を結合度という。結合度は、一方のアンテナに供給された□イに対する他方のアンテナの出力電力の比として定義される。
(2) 図に示す構成は、アンテナ間の距離や相対的な指向方向を変えて結合度を測定し、記録できるようにしたものであり、信号発生器の出力をPt[dBm]、受信機の入力をPr[dBm]、送信側及び受信側の給電回路の損失をそれそれLt[dB]及びLr[dB]とすれば、結合度Cは、次式で表される。
C=□ウ [dB]
(3) 結合度は非常に□エため、信号発生器からの信号が受信側へ直接侵入するのを防いだり、導波管の□オなどから漏れを抑えるなど、測定環境に注意しなければならない。
1 アンテナ
2 全電力
3 結合度
4 大きい
5 Pr−Pt+Lt+Lr
6 背面方向の電力
7 小さい
8 管壁
9 周波数
10 Pt−Pr+Lt+Lr
無線の常識を知っていれば分かるかなあと思います。
まず、グループ分け。1と3と8と9。2と6。4と7。5と10。
入りそうな言葉はアンテナか管壁です。独立した二つ以上の無線回線がどうやってアンテナを共用しているのか分からないので、管壁です。
次に□イ。全電力か背面方向の電力ですが、背面方向の電力はどうやって測るの?という疑問と、(2)で「信号発生器の出力をPt[dBm]」としていることから、全電力が正解です。
□ウ。Pt[dBm]が−か+かってことです。ええと、よくマイクロ回線において受信電力はいくらでしょう?という問題の時は、LtとLrは送信電力から引き算します。で、今回の問題は足し算してます。ということは、結合度の時はすべての符号が逆になるのかなあと考えます。したがって答えは5です。
□エ。文章をよーく読むと分かります。信号発生器から受信側へ電力が回り込んじゃいけないってことは、信号発生器の電力自体がとても大きい誤差の要因になるということです。信号発生器から受信側に直接回り込む電力はとっても小さいので、誤差の要因にはならなそうですけど、それが誤差の要因になっちゃうってことは、背面結合自体の電力が小さいってことです。答えは「小さい」です。
□オ。管壁から漏れるわけがないので、答えは結合部です。
ア:9 イ:2 ウ:5 エ:7 オ:3