陸上無線技術士の無線工学Bにおいて三角関数を使う機会は少ないです。三角関数を1から学んでいる暇があったら別の勉強した方が良いと思えるくらいです。
また三角関数を説明するためのいい例がないです。ここを読みこなすには相当の知識が必要でしょう。
今のところ優しくて役に立つのは平成12年7月 2陸技 無線工学BのA-15だけです。
この問題はcotが出てきていかにも三角関数の知識がないと駄目なように見えますが、知識はいりません。
半波長ダイポールアンテナなので、2l=λ/2です。したがって、l=λ/4です。
βは位相定数です。β=2π/λです。これは決まりです。
Zab≒73.1+j42.6−j2Z0cotβlにlとβを代入すると、Zab≒73.1+j42.6−j2Z0cotπ/2になります。
ところで、です。ちゃんと考えると、上の式の赤い部分が(π/2)-Δになるんでしょうけど、なってません。それはそれ、cotπ/2の部分を(π/2)Δに置き換えます。
すると、Zab≒73.1+j42.6−j2Z0(π/2)Δ となります。
あとは虚数部分がなくなるように計算するだけですので、
42.6 = 2Z0(π/2)Δ
Z0 = 420[Ω] (と問題に書いてある)ので、これを代入して
Δ = 0.032
答えは3.2%です。
ちなみに位相定数のこととかを知らなくても、と与えられている時点で「ああ、cotのところを(π/2)Δに置き換えるのね」と考えるのが筋なので、なにも考えなくてもZab≒73.1+j42.6−j2Z0(π/2)Δとします、私は。
まず解答のグループわけです。
1と4、2と5、3と8、6と10、7と9が対です。
□アですが、知らなきゃ分かりません。また、ここで間違えると後の選択肢の大部分を間違えます。答えは1です。この式は暗記してください。
□イですが、「回折損をSとすれば」なのでSが入っているものを選びます。単純に考えると、□アで4を選んだ方用に5の解答を作って、□アで1を選んだ方用に2の解答を作っている気がします。したがって、2を選びます。こんな説明で納得いくか、と思う方は自分で勉強してくださいと言いたいところですが、簡単なので説明します。
まず、下の図の黒丸の所の合成受信電界強度を求めます。
送信アンテナの高さがh1[m]、黒丸の高さがh0[m]、距離はd1[m]なので黒丸の点の電界強度は2E0×sin(2πh1h0/λd1)[V/m]。
次に黒丸のところから、受信アンテナのところまで電波が飛びます。黒丸のところから出る電波の強度は2E0×sin(2πh1h0/λd1)[V/m]に回折損Sをかけて、2E0S×sin(2πh1h0/λd1)[V/m]になります。これをE0'としましょう。
黒丸の高さがh0[m]、受信アンテナの高さがh2[m]、距離はd2[m]なので受信アンテナの電界強度は2E0'×sin(2πh0h2/λd2)[V/m]。ここで、E0'=2E0S×sin(2πh1h0/λd1)なので、受信アンテナの電界強度は4E0S×sin(2πh1h0/λd1)×sin(2πh0h2/λd2)
□ウですが、上に答え書いてしまったんですけど、Ed=□イ×sin(2πh1h0/λd)×sin□ウ[V/m]で、最初のsinの項はh1からh0のことを指しているので、□ウはh0からh2のことを指さないといけないです。したがって答えは3です。
やっと□エです。三角関数を使うのはこれだけです。h1を上下に変化させるということはsinの値が上下するってことです、sinの値は1〜-1の値をとります。sinが1をとった時にEが最大になります(よね、-1より1の方が大きいですよね)。したがって、□エは6です。
□オですが、○2の式でsinの値が1の時はE=4E0Sになります。したがって、S = E / 4E0です、答えは7です。
問題の意図がさっぱりわかんないです。これ、4アマの問題です。実効長を導出する過程を示せと言われたら2陸技の問題。こういう問題の出し方だと4アマの問題。
三角関数は出てきていますが、使いません。問題文の赤い部分だけを読みます。半波長ダイポールアンテナの実効長はλ/πです。これは無線屋さんには常識です。
λ = 3.0×108/周波数 = 3.0×108 / 30×106 = 10[m]
実効長 = λ/π = 10 / 3.14 = 3.2[m]
よって答えは5です。実効長の意味を知りたい方はアンテナ工学の初歩なんで適当な本を読んでください。試験に受かるためには実効長を丸暗記した方が1000倍くらい早いでしょう。
さすが2陸技。式が与えられてるぜ、という感じです。d0を求めます。
secθ= 1/cosθです。無線の試験を受けるならば覚えておくべきでしょう。
f0 = fcsecθ これに臨界周波数fc= 4[MHz]、周波数f0 = 5[MHz]を代入します。
5 = 4 secθ
secθ = 1.25
cosθ = 1/1.25 = 0.8
ここで
なので、これを問題の図にあてはめてみます。cosθは0.8なので
となります。sinθの方は0.6になります。なんで0.6になるかといいますと、この三角形は3:4:5の三角形になっているからです。8という数字を見たら怪しいと思ってください。100発100中で3:4:5の三角形になっているはずです。
したがって、
h0 : 0.8 = d0/2 : 0.6 h0は問題に与えられているので
300 : 0.8 = d0/2 : 0.6
d0 = 450
したがって、答えは1です。
こういう問題は分かりやすい点で考えるのが基本です。以下にやり方を示します。
まず、θが0の時を考えてみます。θが0だとsinθは0、cosθは1です。以下の図のようになります。
図から分かるようにr = lです。したがって、sinθ=0、cosθ=1の時にr = lとなるような式を選択肢から選ぶと、2か3です。
次に2と3、どちらを選ぶかということです。cosθとsinθの違いです。ここまでくると感覚でしかないのですが、私は以下のように考えます。
この図をぱっと見てcosθとsinθどちらを選びますか? lをどんなにいじくっても、r sinθと同じにはなりそうにもないですよね。したがってcosθの方を選びます。
ちなみに本当の理論は私は知りません(ぉい
いかにも難しそうな式が出ていますがおそるるに足りません。無線の試験で出てくる角度はほとんど90度、ラジアンで言えばπ/2です。
まずグループわけです。陸技の問題は解答が2つ一組になっています。で、どちらかが答えです。したがって、最初に解答をグループ分けするのは重要です。
「90、180」「単一指向性、無指向性」「水平、垂直」「kIsin(ωt+π/4)sin(π/4-θ)、kIsin(ωt+π/2)sin(π/2-θ)」「同相、逆相」
□アですが、角度を聞かれたら90度です。よってアは90です。
□イですが、水平にしたら水平偏波しかでるわけないです。よって、イは水平です。
□ウですが、式の違いはπ/2かπ/4かです。□アで90度を選んでいます。e1とe2ではなにかが90度違う、90度はラジアンでいうと、π/2です。したがってπ/2を選ぶのが妥当です。よって、ウはπ/2のほうです。
□エですが、「最大振幅は平面上で一定」とあるので、無指向性に決まってます。よってエは無指向性です。
□オですが、格段を逆相で砺振したら打ち消しあってしまうので同相に決まってます。逆相で砺振することはないです。したがって□オは同相です。
ア:1 イ:3 ウ:10 エ:8 オ:7